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「わたし、定時で帰ります。」第三話感想ー新人の頃辛いのは圧倒的無力感

「わたし、定時で帰ります。」第三話の感想です。

 過去記事はこちら。

www.mitsukaruko.net

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◆新入社員の辛さや悩みに鈍感になっていたことに気が付く

第三話は新入社員の来栖くんにスポットがあたっていました。

今回はこれまでと比べればずいぶん軽い気持ちで見ていました。

 

一話の三谷さん、二話の賤ヶ岳さんのように

本気で取り組んで挫折して悩んでいる姿は痛々しくて辛かったけれど

来栖君に対してはそこまで心動かず。

なんでかなぁ、と考えました。

 

自分も来栖君と同じように新人時代を過ごしてきたけれど

もうその時の辛さを超えてからず

いぶん時間がたってしまいました。

 

だから、新人の悩みに対して

「こんなのみんな当たり前」

ってポジションをとって見ていたのかな、と。

自分も経験したことなのに

その新人の辛さに対して鈍感になっていたことを自覚しました。

 

 

 

 

◆新人時代の辛さや悩みを思い出す

新入社員の頃に何が辛かったか。

来栖君を見ながら思い出してみました。

 

・自分が何もできないこと

・先輩がなんでもできるように見えたこと

・周りの人に迷惑をかけてしまうこと

・まだ人間関係や信頼関係が築けていなかったこと

・誤解されること

 

だったんですよね。

この第三話ではそれがぎゅっと詰め込まれていました。

 

1、自分が何もできないこと

就職して、なにも分からない環境に入ることになります。

来栖君が言ったように

圧倒的な無力感を味わうことになります。

学生の間はあまりそういった経験をしないんですよね。

同じ学年の人が周りにたくさんいるし

先輩だって1~3個しか年も変わらないから。

 

就職して、組織の中で一番自分が何もできないっていう状態が

精神的には一番辛いところでした。

 

2、先輩が何でもできるように見えたこと、追い付けない

新人からすると先輩社員や上司が何でもできるように見えます。

自分とのギャップが大きすぎて

経験の差があるのは分かってはいても

自分がそこに追いつくことは不可能だと心が折れそうになります。

来栖君も種田さんの仕事っぷりにそんな感想を漏らしていましたね。

 

3、周りの人に迷惑をかけてしまうこと

自分が仕事をできないことで自分が困るだけでなく

周りの人に迷惑をかけてしまいます。

学生時代は自分が勉強をサボっても自分が痛い目を見るだけでしたが

社会人になると自分の甘さは周りへ影響がでてきます。

そんな申し訳なさに押しつぶされそうになります。

 

4、まだ人間関係や信頼関係が築けていなかったこと

入社してしばらくは人の名前や担当業務を把握するのにも一苦労、

人柄も分からないしコミュニケーションもうまく取れない状態。

 

来栖君は結衣とは良好な関係を築いていたけれど

他の先輩社員とはまだぎこちないですよね。

結衣と1対1ならものは言えるけれど

他に誰かがいるともぞもぞしてしまう。

 

ただ結衣1人だけでも、

思っていることを相談できる先輩がいるのはすごく大きい。

自分が後輩に対してそういう先輩でいられただろうか。

 

5、誤解されること

他の社員と信頼関係のない状態なので誤解されることも。

特に些細な行動1つで

「今の若い子はだめ」「ゆとり」

そんなレッテルを貼られることもいくらでもあります。

来栖君の動画流出事件もしかり。

誤解されて弁明の余地もなく、孤独感を覚えることもあるでしょう。

 

◆声をかけて寄り添える先輩であれれば

新入社員時代の辛さや悩みを思い出してみると

社歴が長くなるほどたくさん忘れてしまっていました。

 

結衣みたいに

あなたの行動や良いところを見ていますよ、ということを伝えたり、

「初めはみんなできなくて当たり前だよ」と声をかけることの

大切さを思い出しました。

声に出して伝えることで

不安でいっぱいの新人は安心できることもある。

 

自分も新人時代にミスをしたとき

「大丈夫だよ」とか

「失敗して持ち直すことを覚えていくのが大事だよ」とか

声をかけてもらって救われたことを思い出しました。

 

先輩として後輩への接し方について

自分を見直すよいきっかけになるお話だったと思います。

 

 

わたし、定時で帰ります。 (新潮文庫)

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