みつかることになる

退職/転職/ドラマ/映画/本/旅について

ネットで知り合った人と実際会ってみた昔の話

f:id:mitsukaruko:20190527032524j:plain

最近はネットで知り合った人と実際に会う、ということは珍しくないみたいだ。

Twitterを見ていても、「○○さんと会いました」なんてツイートをよく見かける。

マッチングアプリもカジュアルに使われているようだ。

 

今日は私がネットで知り合った人と実際に会った話を書いてみようと思う。

それは今から10年ほど前で、ネットで知り合った人に会うなんてヤバイし危険という価値観が強い時代だった。

 

・・・

 

先日私のブログはmixiから、という記事を書いた。

www.mitsukaruko.net

 

10年以上前のmixiで書いた自分のブログを読む中で様々な記憶がよみがえる。

そして一番初めの日記を読んで、どうして私がmixiを始めたのかを思い出した。

当時mixiは招待制で、私を招待してくれたのはTさんという女性だった。

 

Tさんは私より5つほど年上で、

私が大学1年生の時に彼女は院生だったはずだ。

とは言ってもTさんは同じ大学でもなければ、直接会ったことはなかった。

 

私が中学生の時に始めたばかりのインターネットで出会った人だった。

記憶は朧気だがチャットで知り合った気がする。

ネット初心者の私を、Tさんが仲良くしている人たちの輪に入れてくれた。

いつも5人くらいのグループで

チャットをしたり、ゲームをしたり遊んでいた。

Tさんからしたら私はずいぶん子どもだが、優しく相手をしてくれた。

 

高校生になるとネットからは離れるも

携帯のメールでやり取りは続いていた。

 

・・・

 

そして大学生になり、Tさんからmixiに招待をしてもらった。

再び昔のようにネット上でやり取りをするようになった。

 

今までは、Tさんのことを年上だから

大人で優しくて物知りで素敵なのだと思っていた。

ただ自分が大学生になってみると、Tさんは特別だと分かった。

自分の周りにいるTさんくらいの年齢の人を見ても、少し違う。

選ぶ言葉も、感性も、きれいな絵の中にいるような人だった。

 

Tさんは音楽の勉強をしていて、休みの日も自然や芸術に触れる日々を過ごしている。

それに対して私は、あまりに平凡で怠けた大学生だった。

Tさんのことは好きだし、憧れがある一方で、気後れもするようになった。

 

ある日、学校が長期休みに入るとTさんと東京で会おうという話が持ち上がった。

Tさんとは以前から大学生になったら会おうね、と何度も話をしていた。

しかし、不安になる。

ネット上で知り合った人に会うのは初めてだが、

Tさんのことは信用していたので警戒するようなことはなかった。

 

不安で怖いのはTさんをがっかりさせることだった。

私は愛想もないし人見知りだ。

年下といえど、可愛げもないし妹キャラでもない。

18年田舎で暮らしてきたので芋感を漂わせているだろうし、

面白い話をする自信もない。

会う日程を決めたものの不安でいっぱいだった。

 

必死でTさんが好きなものについて調べたりなんかした。

話題が尽きないように、質問や話題を何個も考えた。

普段は着ないキレイめな洋服を新しく買った。

ネットで知り合った人に会うというのは、こんなに心がざわつくのか。

 

そして、当日。

緊張でどうにかなってしまいそうだった。

慣れない東京でキョロキョロしていると

「○○ちゃん?」

と声をかけられる。

Tさんは色白で黒髪ロングで華奢な、大きな目をした可愛い人だった。

この人が夜な夜なネットでチャットしたりゲームしていたのかと思うと不思議に思えるくらい、爽やかで昼間が似合う人だった。

 

初めは緊張していたけれど、Tさんは気さくな人で割とすぐに打ち解けられた。

知り合ってからは数年たっているし

ネット上の友達で、会うことのない人だからこそできた話もたくさんあった。

私の内面を知っている人だった。

自分の愛想のなさや人見知りを心配していたが

Tさんはとっくの昔に私が社交的でないことも根暗であることも知っていた。

でも、私たちはお互いの本名や大学も教えてはいなくて

名前もハンドルネームで呼びあっていて、くすぐったかった。

 

1日はあっという間に終わった。

別れた後は、ずっとふわふわしていた。

ついにTさんと会えたのか。

 

その後も大学にいたころはTさんとは交流続いていたが

就職してからは連絡をとる頻度がぐっと減ってしまった。

ぽつぽつとメールのやりとりはしていたが

気がつけば、数年前に連絡をとったのが最後だ。

 

ネット上の友達だったとはいえ、Tさんの存在に私はとても支えられていた。

学校がつまらなかった頃も、その先にはずっと広い世界があるよと教えてくれた。

受験の時期も優しく静かに応援してくれた。

新生活で不安な時もたくさんの言葉ををかけてくれた。

 

思い出してみると、ちょっと泣きそうになるくらいにありがとうしかない。

ちゃんとお礼を言いたい。

今の自分はまだ情けないので、どうか私の思う自分になれたら、Tさんに連絡をしようと思う。

 

・・・

 

ちなみに、ネットで知り合った人で実際に会った人はもう1人いる。

それは、好きなアーティストのライブにどうしても行きたくて

ネットで譲ってくれる人を探して知り合ったSさんという男の人だった。

 

Tさんに対しては警戒もしていなかったが、今回は話が変わってくる。

完全に知らない人だ。

当時私は大学生で、Sさんは20代の社会人らしい。

年上の男の人となると会うにはハードルが高い。

チケットは手渡しで譲ってもらうことになったが

失礼な話だが騙されたりカツアゲされないか非常に警戒していた。

色んな事件が世の中で起こっていたし、当時はまだネットで知り合った人に会うということが普通ではない、危険という風潮があった。

友人に話しても「危ないからやめなよ」というような時代だった。

 

でもどうしてもチケットが欲しかった。

結局近くまで友人に付いてきてもらって待機してもらった。

「これから会うから、無事チケットを受け取れたらすぐ連絡する。

もし30分以内に私から連絡がなければ事件だと思って」

そんな調子で防犯ブザーをポケットに入れ心臓バクバクで待ち合わせ場所に向かった。

 

結果、Sさんは普通に良い人だった。

Sさん自身も私がネカマだったり、やばい奴ではないか心配していたらしい。

無事にチケットを受け取ることができたし、

趣味が似ているのでその後もゆるゆると連絡を取り合った。

 

・・・

 

こんな感じで、私が実際に会った人は2人も良い人だったし、出会えて良かったと思える人たちだった。

インターネットがなければ会えなかったし知れなかったよ。

mixiを見ていたら思い出した話でした。