◆村田沙耶香という聖女による救済
こんにちは、みつかるこです。
村田沙耶香さんをご存知でしょうか。
コンビニでアルバイトをしている作家、
ということでメディアでも話題になったりしていましたね。
そんな村田沙耶香さんの新作『地球星人』が発売です…!
私は雑誌『新潮』で既に読んでいるのですがこれは凄い。
絶対読むべき1冊。
特に愛とか恋とか分からない人たちへ。
我々は救われます。
村田沙耶香という名の聖女により救済されます。
それというのも、私は長いこと恋愛というものが理解できずにいました。
中高生の頃は女の子の恋バナがとにかく居心地悪かったです。
皆のように人を強く好きになれない自分は欠けているんだろうか
そんなコンプレックスがありました。
そんな私が村田沙耶香さんの作品に出会い
ようやく許された気がしたんです。
村田沙耶香さんファンになり、ほとんどの作品を読んできました。
なので、この名作『地球星人』発売を記念して
世の中人々にもっと素晴らしさを広めようと
村田さんのおすすめ作品を紹介します…!
- 作者: 村田沙耶香
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2018/08/31
- メディア: 単行本
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『地球星人』の感想は②にで書いています、こちらで↓
◆村田沙耶香作品おすすめ3選
その1 『消滅世界』
「これは実験なんだ。違うシステムの中にヒトを入れてみてもちゃんと繁殖するか。実験都市はその実験のためにマウスを入れる箱なんだよ」(p.156)
*あらすじ* (一部ネタバレ含む)
家族とセックスをするのは近親相姦。
人工授精がスタンダードになり
夫婦がセックスをして子どもを産むことは気持ち悪い
そんな価値観の未来の話。
主人公の雨音は、両親がセックスをして生まれた子どもだった。
そのことにコンプレックスを感じながら恋愛をしてきた。
1度目の結婚は夫に勃起されて離婚。
2度目の結婚は穏やかで順調であったはずが
実験都市・楽園(エデン)に行くことになる。
楽園では、大人はみんな『おかあさん』で
『子供ちゃん』に愛情のシャワーを浴びせることが義務。
雨音はこのシステムに違和感を感じるが
夫の朔はこの世界、思想にに入り込んでいく…。
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今の私たちが信じる愛や家族が
失われた世界と見るか、再構築された世界と見るか。
楽園は合理的で幸福の追求をされた場所。
ここに辿り着く未来はくるのでしょうか。
最近文庫にもなったのでぜひお読みください。
その2『しろいろの街の、その骨の体温の』
この真っ白な骨の街は、大きな墓場だった。私の大嫌いな私が死んでいくための、墓場だった。(p.282)
*あらすじ*(一部ネタバレ含む)
小学生の結佳は、同じ習字教室に通う伊吹と親しくなっていく。
明るくてみんなに好かれている伊吹。
そんな伊吹に対して歪んだ独占欲を募らせる結佳。
結佳は伊吹は自分のおもちゃだと言い、強引にキスを繰り返していく。
中学校に進学して結佳を取り巻く環境は変わった。
小学校の頃の仲良しだった若葉、信子とそれぞれ違うヒエラルキーに置かれる。
若葉は1番上、結佳は下から2番目、信子は一番下。
「地味で大人しい」結佳は自分の狭い居場所で身を縮ませている。
一方で伊吹は変わらない、明るく無邪気で、ヒエラルキーにも鈍感。
中学生になっても2人はキスをする、名前のない関係が続いていた。
しかし、ある時伊吹から「ちゃんと付き合おう」と言われるが
学校で身分の違う2人が付き合えうことはできないと結佳は拒否をするー
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思春期は同じように訪れるということを
どうして今まで気が付かなかったのか。
地味で大人しかった少女も恋をして、発情することを。
見縊って幼さを頭にかぶせていたのかもしれません。
胸が痛くなりますが、
傷つけられ落とされるだけでなく
捨てて新しくなっていく語だと思います。
(三島由紀夫賞も受賞されているので面白さはお墨付き。)
◆番外編 『ユリイカ2013年7月号 特集*女子とエロ・小説篇』
私いつもブログは1000字を目安に書いているんですけど
この段階で既に1700字なので、
「おすすめその3」と『地球星人』感想は次回に続くにします。
ですが、「しろいろの~」を今回書いたので最後にもう1つ。
これに村田沙耶香さんのインタビューが掲載されています。
あと村田さんに言及する評論もあります。
あまり堅くなく読みやすいものが多かったので
あわせて読んでいただけると楽しめると思います!
ではまたつづく。